- インプラント治療
- 当院のインプラント治療の特徴
- インプラントのメリット・デメリット
- ブリッジ・入れ歯との違い
- 1回法と2回法について
- 総入れ歯・歯がほとんどない方へのインプラント治療
- 骨が薄い・足りない方への骨造成治療
- CGF再生療法によるインプラント治療
- インプラント治療の流れ
インプラント治療
インプラント治療は、失った歯を自然な状態に回復させるための最適な方法です。
人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付けることで、見た目も機能も天然歯に近い仕上がりが実現できます。これにより、食事や会話など、日常生活を快適に過ごすことができます。
インプラントは、差し歯やブリッジと異なり、周囲の健康な歯を削ることなく、歯を失った場所に直接人工歯を設置するため、歯への負担を軽減できます。差し歯は残っている歯根を利用して治療しますが、インプラントは歯根自体が失われた場合に適応される治療法です。また、ブリッジは隣の歯を削って固定する必要がありますが、インプラントはそのような心配がありません。
インプラント治療は、長期的に安定した結果を提供し、見た目や噛み心地も優れているため、歯を失ってしまった場合の非常に効果的な選択肢となります。
インプラントの仕組み
インプラント体(人工歯根)
顎骨に埋め込まれる「インプラント体」は、人工の歯根にあたる部分です。インプラント体は顎の骨に固定され、時間とともに骨と一体化して強固に定着し、天然の歯根のような役割を果たします。
アバットメント
(支台歯)
アバットメントは、インプラント体と上部構造(人工歯)を連結する支台の役割を持ちます。インプラント体の上に取り付けられ、その上に人工歯が装着されるため、人工歯の土台ともいえる部品です。
上部構造
(かぶせ物)
上部構造は、インプラントの人工歯として機能するもので、アバットメントの上に取り付けられます。質感や色味を選ぶことで、口元の美しさに影響を与えるため、審美性を重視して選ぶことが大切です。
当院のインプラント治療の特徴
日本口腔インプラント学会 専門医・認定医がおこなうインプラント治療
当院の理事長は、日本口腔インプラント学会が認定する専門医・認定医です。この資格は、インプラント治療において高度な技術を有し、他の歯科医師を指導できる立場にある者に授与されます。インプラント治療経験と知識が豊富で、確かな技術力で治療を行います。
インプラント治療をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
インプラント治療が行える万全な設備体制
歯科用CTを用いた正確な診断
歯科用CTは、顎の骨の状態を3D画像で詳細に把握できる先進的な機器です。これにより、骨の厚さや密度を正確に確認でき、インプラント治療の計画をより精密に立てることができるため、治療の成功率を大幅に向上させます。
複雑な歯の根の状態も精密に診断できるため安全なインプラント治療に必須です。
シミュレーションソフトで事前確認
取得したCT画像をもとにシミュレーションソフトで治療計画を作成し、インプラントの埋入位置や角度を事前に確認します。このシミュレーションにより、手術の正確性が増し、歯茎を切開する範囲を最小限に抑えることが可能です。その結果、術後の治りが早まり、身体への負担も軽減されます。
インプラント手術支援ソフト
ノーベルクリニシャン
当院では主に無歯顎のケースで使用します。
インプラント手術支援ソフト
シムプラント
当院では主に有歯顎のケースで使用します。
サージカルガイドを使用
インプラント埋入時には、精密なマウスピース型のサージカルガイドを使用します。このガイドにより、インプラントの位置や角度が正確に決まり、神経や周囲の組織を傷つけることなく、安全に治療を進めることができます。また、歯茎への負担も最小限に抑え、患者さんにとってより安心・快適な治療を提供しています。
マイクロスコープを用いた精密インプラント治療
視野を何倍にも拡大できるマイクロスコープを導入し、神経や血管に配慮した精密な治療を行います。細部まで見逃さない治療で、インプラントの埋入位置や角度を細かく調整し、より安心かつ安全な治療を提供しています。
感染を防ぐための滅菌や衛生管理
当院では、インプラント治療の安全性を確保するため、無菌状態を徹底した管理体制と最新の滅菌・消毒システムを導入し、患者さんが安心して治療を受けられる環境を整えています。
骨が少ない方でもインプラント治療が受けられる
顎の骨が薄い、または骨量が不足しているといった理由でインプラント治療を諦めていた患者さんに向けて、当院では骨造成治療を提供しています。骨の再生や強化を行うことで、しっかりとインプラント体を支える土台を作り、安全で確実なインプラント治療を実現します。
不安やストレスを軽減する静脈内鎮静法・笑気麻酔
インプラント手術への不安や緊張を少しでも和らげるため、当院では以下の鎮静法を導入しています。
笑気吸入鎮静法
笑気麻酔は、酸素に少量の笑気ガスを混ぜたものを鼻から吸入し、心地よくリラックスした状態で治療を受けられます。全身麻酔ではなく意識も保たれるため、副作用が少なく安全です。治療後の回復も早く、通院が可能です。
静脈内鎮静法
静脈内鎮静法は、インプラント手術に対する不安や恐怖を和らげ、リラックスした状態で治療を受けていただくための麻酔方法です。点滴で鎮静剤を投与し、うたた寝をしているような穏やかな状態になります。全身麻酔とは異なり、自発呼吸が保たれるため、副作用による危険性が非常に低く、安全に治療を受けることができます。
信頼できるインプラントメーカーを採用
インプラントダイレクト(レガシーシステム)
レガシーシステムインプラントは、インプラント治療の先駆者Gerald A. Niznick氏によって開発されたシステムです。Implant Direct社は、世界的に信頼される歯科材料メーカーKaVo Kerrグループの一部で、品質と信頼性に優れています。
世界中で使用されているため、海外でのメンテナンスもスムーズで、安定した供給が保証されています。また、患者さんの負担を軽減し、歯科医師がより効率的に治療できる専用パーツや器具も揃っており、安心して治療を受けていただけます。
インプラントのメリット・デメリット
インプラントのメリット
健康な歯を削る必要がない
インプラント治療では、健康な歯を削る必要がないため、隣接する歯に負担をかけることがありません。これは、差し歯のように隣の歯を削って土台にする方法とは異なり、独立した構造で治療を行えるためです。
入れ歯よりも強く噛める
インプラントは天然歯に近い強さで噛むことができるため、入れ歯のように噛む力が弱くなる心配がありません。これにより、普段の食事も違和感なく楽しめます。
骨が痩せるのを防げる
顎の骨に直接インプラント体を埋め込むことで、顎骨に適度な刺激が伝わり、骨の痩せを予防できます。入れ歯では顎骨への刺激が少なくなりがちですが、インプラントなら骨密度の低下を抑えることが可能です。
見た目の良い歯(人工歯)を装着する
インプラントでは、自然な色調や形状に近い人工歯を装着できるため、見た目が美しく、金属部分が見えることもありません。
インプラントのデメリット
インプラント治療は多くの利点を持つ一方で、患者さんが後悔しないためにも、考慮すべきデメリットについても理解が必要です。
費用がかかる
インプラント治療は自由診療に分類されるため、保険適用がなく、高額な治療費がかかる点が最大のデメリットです。一般的に1本あたり40~50万円程度が目安で、複数本の治療を必要とする場合は100万円以上になることもあります。費用面については十分な検討が必要です。
体への負担が大きい
インプラント治療は顎の骨に人工歯根を埋め込む手術のため、身体への負担が少なくありません。施術中は麻酔で痛みを感じることはありませんが、術後に腫れや痛みが出ることが多く、治癒に時間がかかる場合もあります。手術後の体調や回復期間についても、慎重に検討することが望ましいです。
定期的なメンテナンスが必要
インプラントは粘膜と強く結合しないため、感染しやすく、放置するとインプラント周囲炎という病気を引き起こす可能性があります。そのため、治療後は定期的なメンテナンスが必須です。
ブリッジ・入れ歯との違い
特徴 | インプラント | ブリッジ | 入れ歯 |
---|---|---|---|
見た目 | 自然な歯のような見た目が得られる | 自費診療の材質を選択することで 自然な仕上がりに |
自費診療の材質を選択することで 自然な仕上がりに |
噛み心地 | 自分の歯のようにしっかりと噛める | 自分の歯のような噛み心地が得られる | 硬いものが食べづらいことがある |
他の歯への影響 | 周囲の歯を削る必要がない | 健康な隣接歯を削る必要がある | 部分入れ歯の場合、バネをかける歯に 負担がかかる |
違和感 | ほとんどない | ほとんどない | 違和感や異物感がある |
外科処置 | 手術が必要 | 手術は不要 | 手術は不要 |
費用 | 保険適用外のため治療費が比較的高額 | 保険診療が適用される場合は安価 | 保険診療が適用される場合は安価 |
治療期間 | 比較的長期間 | 短期間で治療可能 | 短期間で治療可能 |
1回法と2回法について
インプラント治療には、抜歯後にすぐインプラントを埋め込む「1回法(抜歯即時埋入法)」と、抜歯後に期間を空けてからインプラントを埋入する「2回法(抜歯待時埋入法)」の2つの方法があります。多くの場合は、2回法で慎重に治療を進めますが、時間的制約などにより1回法が適している場合もあります(診察要)。
1回法(抜歯即時埋入法)
1回法は「抜歯即時インプラント」や「1dayインプラント」とも呼ばれ、抜歯と同日にインプラントを埋め込む方法です。
この方法は手術回数が少なく、治療にかかる費用や身体への負担も抑えられるため、効率的な治療が可能です。ただし、顎の骨が薄い、量が不足している、または骨の密度に不安がある場合は、骨造成が必要となることがあります。1回法が適しているかどうかは、担当医師としっかり相談して判断することが大切です。
2回法(抜歯待時埋入法)
2回法は一般的なインプラント治療の手法です。まず、抜歯後に一定期間待ってから1回目の手術でインプラントを埋め込み、さらに治癒期間を経てから2回目の手術で人工歯を取り付けます。
麻酔によって痛みは感じませんが、2回にわたる手術が必要なため、心理的負担を感じる患者さんもいらっしゃいます。しかし、骨や傷口の状態を確認しながら進められるため、1回法に比べて感染症やその他のリスクが低い点がメリットです。
総入れ歯・歯がほとんどない方へのインプラント治療
オールオン4(All-on-4®)
すべて、またはほとんどの歯を失った患者さんに適した治療法として、オールオン4(All-on-4®)があります。従来のインプラントでは上顎と下顎それぞれに8~14本のインプラントを埋め込む必要がありましたが、オールオン4では上顎と下顎に4本ずつのインプラントのみで、12本の人工歯を安定させることができます。骨量が少ない場合でも骨移植を行わずに残っている骨を活用でき、骨の状態に左右されにくいのが特徴です。ただし、高度な技術が必要なため、施術可能な歯科医師や歯科医院は限られています。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーは、むし歯や歯周病で歯を失った方々に、食事や会話をより快適にするための治療法です。この方法では、既存の入れ歯にインプラントを加えることで、安定性を大幅に向上させます。磁石やボタンのような装置で入れ歯をしっかりと固定できるため、噛み心地が改善され、自然な使い心地が得られます。
特に、保険の総入れ歯を使用していた方がインプラントを追加することで、より安定した噛み合わせが実現し、多くの患者さんに喜ばれています。「入れ歯の不安定さに悩んでいる」「しっかり噛みたい」という方には、ぜひご相談いただきたい治療法です。
インプラントデンチャー・オーバーデンチャーのメリット・デメリット
メリット
- 入れ歯がしっかりと固定され、安定性が向上する
- 噛む力が強くなり、食事がしやすくなる
- 既存の義歯をそのまま活用できる
- 部分入れ歯・総入れ歯のどちらにも対応可能
- 最小限のインプラント本数で済むため、負担が軽減される
デメリット
- 噛む力が強まることで、入れ歯の強度によっては破損のリスクがある
- 最小限のインプラント本数とはいえ、外科手術が必要
- 保険適用外の自由診療のため、費用がかかる
骨が薄い・足りない方への骨造成治療
インプラント治療を希望される患者さんの中には、顎の骨が足りないために治療を断られることがあります。骨不足の主な要因は、「元々顎の骨が薄いケース」と「抜歯後に放置し、骨が痩せてしまったケース」の2つです。当院では、こうした骨の不足に対応するための骨造成治療を提供しています。
骨造成手術の種類
サイナスリフト
主に上顎の奥歯部分に骨を広範囲で増やす治療で、顎骨の高さが5mm以下の際に行います。上顎の側面から処置を行い、専用の器具で上顎洞底部を押し上げて、骨のスペースを作り、その箇所に骨を移植します。骨が再生するのに3~6ヵ月程度を要します。手術範囲が大きい分、負担はありますが、視認しながら確実に骨造成が行えます。
ソケットリフト
ソケットリフトはインプラントを埋め込む方向から行い、顎骨の高さが5mm以上の場合に適用します。インプラントを埋め込む部分に穴を開け、上顎洞底部を押し上げてできたスペースに骨を充填し、インプラントも同時に埋入します。治療期間が短縮でき、手術範囲が小さいため、身体への負担も抑えられます。
GBR(骨誘導再生法)
GBR(骨誘導再生法)は、インプラント治療において顎骨の厚みが不足している場合に行う骨造成手術です。まず、骨量を増やしたい部分の歯肉を切開し、患者さん自身の骨や人工骨を詰めた後、メンブレンという人工膜で覆います。この膜は、骨の再生に必要なスペースを確保し、歯肉が骨に侵入するのを防ぐことで、効率的に骨の再生を促します。通常、4~6ヶ月で新しい骨が形成され、インプラントの埋入が可能な状態になります。
骨量を少し増やす場合は、インプラント埋入手術とGBRを同時に行うこともありますが、しっかりと骨量を増やす必要がある場合は、十分に骨が再生されてからインプラントを埋め込むことになります。
CGF再生療法によるインプラント治療
CGF再生療法は、骨造成を目的とした再生医療の一種です。顎の骨が薄かったり、深さが足りなかったりする場合、インプラント体を安定させるための骨が不足し、施術が難しいことがあります。そこで、CGF再生療法を用いて骨組織を人工的に再生し、インプラント埋入を可能にします。治療に使用する成分は患者さん自身の血液で、これを遠心分離機で処理して「フィブリンゲル(自己血液由来のタンパク質)」を抽出し、骨再生を促進します。
CGF再生療法のメリットは?
骨が薄くてもインプラント治療ができる
顎の骨が薄くてインプラントを埋入できない場合でも、CGF再生療法で骨造成を行うことで、インプラント治療が可能になります。
治療期間を短縮できる
CGF再生療法で使用するゲルは自己血液由来のため、再生能力が高く、組織の回復が早まります。これにより、治療期間を短縮する効果が期待できます。
術後感染の心配がない
使用する成分が自分の血液由来であるため、術後の感染や副作用のリスクがほとんどなく、安全に治療を進められます。
インプラント治療の流れ
STEP1インプラント無料相談
インプラント手術について詳しく説明し、治療に関する疑問や不安を解消します。お口の状態を確認し、インプラント治療の適応可否をお伝えします。
STEP2検査・精密診断
口腔内スキャンや歯科用CTなどでお口の詳細なデータを取得し、治療のシミュレーションを行います。
STEP3治療計画の決定
検査結果に基づき、治療計画を立案。治療方法や費用について説明し、同意いただいた上で治療を開始します。
STEP4初期治療
インプラント前にむし歯や歯周病の治療、噛み合わせの確認などを実施。特に歯周病の治療は予後に影響するため、慎重に行います。
STEP5外科手術(インプラント埋入手術)
歯茎を切開して顎の骨にインプラント体を埋入し、保護キャップを装着。仮歯が必要な場合には、日常の食事に支障がないよう仮歯も作製します。
STEP6術後の処置
手術部位を消毒し、1週間から10日後に抜糸。インプラント周囲の歯磨きを開始するため、適切なケア方法を指導します。
STEP7経過観察
術後2~3週間で歯茎の安定が始まります。正しい清掃を継続しないと歯周病のリスクがあるため、適切なケア方法をお伝えします。
STEP8歯茎の処置(整形)
前歯部など審美性が求められる箇所で、歯茎の厚みが不足している場合は整形を行います。
STEP9最終的な歯の装着
インプラントに印象用キャップを取り付けて型を採り、仮歯を作製。歯茎が安定したらアバットメントを取り付け、セラミック製の人工歯を装着します。
STEP10メンテナンス
治療後も3ヶ月に1回程度のメンテナンスを受け、インプラント周囲炎のリスクを抑えます。喫煙や食生活などの要因についてもアドバイスし、予防プログラムの作成・実行を行います。